「あ、あの・・・」
「ん〜?」
「そ、そんなに…」
ソファに座る俺の後ろから、は俺を見ている。
いや、正しく言うと俺の手元。数枚の紙。
そこに書いてあるものを穴が開くほど見ている。
「見られるとやりにくいッス」
「いいじゃん、シャイなんだから〜」
いや、作詞してるときに見られてやりにくいと思うのは、俺だけじゃないと思う。
俺は自室で書いてると、コーヒーを持ってやってきた。
さしいれとして持ってきたコーヒーカップは2つあったので
最初から居座ろうと決めていたのだろう。(まぁいつものことだけれど)
もう大分書けているとはいえ、最後の締めの言葉が思いつかない。
そんな一番集中しなきゃいけないところで。だが開くほど見られては
まったく進まない。あと少しなのに。
「、あとで好きなおやつ作りますから・・・ね?」
「ん〜・・・」
とちょっとした返事をするだけでとくになにも変わらない。
いつもなら食いつくのに、どうしたのだろうかと思うが
はさっきよりも凝視していて、きいてもまた適当な返事しか返ってこないだろう。
あきらめて、また作詞に向き合っても、やっぱりなかなか進まない。
少し経つとが「ねぇ」と俺に話しかける。
「アッシュっていつも愛叫んで終わりじゃない?」
「(グサッ)・・・はい」
「たまには意味深に終わらせるのもアリなんじゃない」
の言葉に、前へ倒れそうになった身体をなんとか起こしてへ向く。
「それってスマのやり方なんじゃ…」
「でも前、スマもらしくない甘々ソング歌ってたよ」
な、なんだそれは・・・!スマが甘、甘々!?
それに驚いてるとはコーヒーを飲みながら「それもアッシュみたいな」と続ける。
スマが、こんな歌を!?まさかに?!
ゆ、ユーリが許可したんスか?!
(どっちにしろ、スマがの前で歌うってことは、そういうことに違いない)
少し焦りながら、言われたことを考える。
意味深かぁ・・・。まっすぐに詠うだけじゃダメなのかな。
しばらく考えて紙とペンをしまって部屋を出ようとする。
「行くの?」
「気分変えるために」
ドアを開けて、去り際に一言、に残していく。
「どっちにしろ、俺はに歌いますから」
意外性を
2010.05.14
(意味深な区切りでも、結局はまっすぐなアッシュ)