「ひゃぁっ」
「クフフ、相変わらず可愛いですね」
骸さん、背中なぞらないでください。
そんな露出してるってことは、なぞってほしいという…
違います。
幻覚で出てきた骸さんは、たいてい意味わからないことをしてから話しかけてくる。
(この前はほっぺプニッとされた)
そしてクフフと笑って抱きしめられる。
骸さんはいつも、私を後ろから抱きしめる。
前で交差する骸さんの腕を抱きしめるように手で覆う私。
それしかできない。
私だって恐れ多いけど、許されるなら骸さんを抱き締めたい。背中に腕を回して、ギュッとしがみつきたい。
でもそれをさせないかのように、骸さんは決まって私を後ろから抱きしめる。
どうして?あなたの存在を確かめたいのに。傍に居るって、実感したいのに。
そういくら考えても、声に出さなければ答えは返ってこない。
骸さんは優しいから、訊いても答えてはくれないだろうけど。
何より錘になりたくないのだ。骸さんに迷惑をかけてしまうなら死んだほうがマシだ。
だから胸の中に、ずっと引っかかっていた感情。
でも私は骸さんが欲しいのではなくて、骸さんの為になりたいのだ。
本来の気持ちを取り戻し、冷静に考えば答えは自然と見つかった。
骸さんは優しいのだ。
ならそんなバレバレな拒否はしないはず。そもそも、あの人がこんな不器用なやり方はおかしい。
私のためだった。
幻覚であるあなたを実感はできない。どれだけ触れようとも所詮、幻なんだ。
実感できたとしても、あなたが消えたあとの虚しさが強まるだけ。
あなたは幻覚だった。ココには居ない。
そう考えるに違いない。
だから、寂しくないよう温もりだけを残してくれる。
あなたはいつも優しくしてくれる。そんなあなただから、私はあなたの為に動きます。
全てあなたのため。
蘇った忠誠心を、二度と失さない。
(あれ・・・。冷静になる前、私なに考えてた?骸さんが欲し…いや、ないない。
骸さんへの気持ちは、そんなふざけた気持ちじゃない)
前日談
「こっち向いてくださいv」
「??!、骸さ…」
プニッ
「引っかかりましたねっ!」
「(・・・そんな嬉しそうにされても)」
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日記の再録2。
ちょっといまいち・・・微妙な作品。
でも骸さんが、度々意味わかんないことをすればいいというのは
実は我の願望だったりする。(わかるよ
2008.06.15