「・・・聴いてますか」

「え、あ・・・骸さん」



あれ、なんの話ししてたっけ。まったく覚えてない。

「スミマセン骸さん」
「何を考えてたんですか、僕を放っておいて」

別に特になにも考えてなかったなぁ。ここんとこ、よく呆ける。病気の前触れか?
少しイジケ気味な骸さんをスルーしてたら、拗ねてそっぽを向いてしまった。
それはさすがにマズいと思ったので、向かいの骸さんが座ってるソファの前に行き
「ごめんなさい。ちゃんと聴きますから」
そう言えば腕を引っ張られ、骸さんの膝の上に座らされた。
骸さんは無言だけど、満足そうに私のお腹に片手を回して
私の頭を片手で撫でる。(骸さんに頭撫でられるの大好き)
とりあえず話しはもういいらしい。大人しくしとこう。
でもこんな静かにしてたらまた呆けそうだな私。絶対だ。
だってなんも考えることがない上、大好きな頭撫でられてたら呆けるわ。むしろ通り越して寝そうだ。

「・・・、聴いてますか」
「え、あ、はい・・・はい?」
「・・・」

あー・・・しまった。今度こそ拗ねるぞこの人。
そう思えば予想通りの困ったため息ではなく、少しクフっと笑われた。
「怒らないで聴いてくれますか」
なんだろう、珍しく反省したような声だ。
半分呆けながら、コクっと頷くとまたクフフと笑われた。



「千種だけは反対・・・はしませんでしたが」

「?」

「僕と犬で、の食事に睡眠薬を入れました」

「く・・すり?それまたなんで…」

「ちょっとしたおちゃめなイタズラ心です」



なんだそりゃ。
・・・頭が回らなくて、コレしかつっこめない。
ってかその話し聞いて余計に眠くなってきた。
睡魔に負けて意識が遠のく中、最後に聞こえたのは
『このまま寝ても…』

(もう少し早く言ってほしかった)
  
 






後日、骸さんと犬のご飯に睡眠薬入れました。



「骸さーん、話し聴いてますかー?(にやにや)」

「・・・ん(コクッコクッ)」

「ガーー・・」

「犬、行儀悪い。じゃま」













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日記の再録。
黒曜はこんな仲だと嬉しい。



2008.06.15