ユニチーム。その文字を見ただけで、ある男を連想した。
それを確かめるためにも、強敵であろうそのチームの元へ向かった。
未来での記憶は記憶でしかなく、まるで夢のような感覚であったが
(・・・ユニに、γ・・・)
彼らをこの眼に捉えた瞬間、曖昧な記憶に現実味が帯びた。
『ティリリッ バトル開始1分前です』
タイミングよく訪れた開戦予告。
一緒につれてきていた彼らに、目配せをしそれぞれ配置につく。
戦闘開始の合図と共に敵チームを襲う犬たち。それをサポートで確実に敵を潰していこうとしたが、
すぐ近くに、わずかに感じ取った気配に向き合う。
「久しぶりだね。いや、初めましてかな?骸くん」
「・・・白蘭」
楽しそうに僕を見る白蘭の腕には、白い腕時計。
(ボスウォッチではない・・・)
先ほど遠目で見たγの黒い腕時計が個人的な物でなければ、あれがボスウォッチか。
もともと勝利条件となるボスウォッチ以外興味はなかったが、この男だけは別。
未来での怨みもあることですし、なにより気になることがある。相手をするとしよう。
とつぜん襲ってきた白竜を弾き、その死角から直接来た白蘭。
「ちゃんはどこかな♪」
「会わせるわけないでしょう…っ!!」
この男、まだ会ったこともないを狙ってるのか…!!なんて執念深い男だ。
武器を交えて早々気になっていたことが解決した。
そうとわかれば、話は早い。さっさと消してしまおうこの男。
白蘭の背に生える羽は、未来で見たものとは少し違う。これもボックス兵器だろうか。
僕の視線に気づいたのか。白蘭は自分の羽を持って、浮かれている表情で話す。
「ふさふさでしょ?にも見せてあげたくてね」
「そうですね、その翼だけもぎ取ってにつけたら可愛いでしょうね」
「それいいね!比喩でなくて本当に僕の天使になっちゃうね」
「誰が誰のですか。は僕のです僕の天使です。あなたの出る幕もありません」
この男との会話は無意味だ。これ以上の時間の無駄遣いがあるだろうか。
相手をするのも面倒になってきたころ、僕のセリフをきいた白蘭がピクッと反応する。
すると途端に切なげな表情になったが、すぐに取り繕った笑顔を浮かべる。
「骸くん、の異性の好みって知ってる?」
「・・・はい?」
とつぜんの質問に呆気にとられる。
の好みなんて、そんなの僕に決まってるじゃないですか。僕がのすべてです。
フンと吐き捨てるように言うと白蘭はバトラーウォッチを僕に見せる。
「今回この代理戦争では色んな"男"がいるよね。
今までうまく閉じ込めてきたからは世界を知らなかったものの、今回はどうかな〜」
「もうすでに、手は打ってありますよ。今回も閉じ込めます」
まあ本当に閉じ込めているのだが。今回に限っては。
しかし白蘭の言ったことに、ずっと感じていた"嫌な予感"がまた胸をざわつかせる。
(が、大人しくしててくれればいいのですが・・・)
すでにを閉じ込めて数時間。は気が長いほうだろうから、今日は大人しくしているだろうが。
この代理戦争、やはり早く終わらせよう。
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そろそろ夢要素出さなきゃですよ。
ぜんぜんこの子キュンキュンしてないんですもの。
次の話くらいから黒曜じゃなくなる←爆
2012.06.16