二人で入った研究所に、いつもせかせか忙しくしてる助手のみんなが迎えてくれた。
まるで待ってました、とでも言うように。道を開けて並んでいる。
それに何事かと思う私と、
何か知ってる風で、緊張した顔つきで進む。
私だけ、聞かされてないようだった。でも、想像はつく。
『お前たちに大事な仕事を託す』
おそらく…――
「さぁ、この中から好きなボールを選べ!」
「これ」ガッ
「これだ」ガッ
説明や博士の長い夢の話はいらない。
私たちは、出されたボールを勘で即掴んだ。
自分たちの手に持っているボールを
ぎこちない手つきで触れる私と、慣れた手つきで触れる。
けれども、開閉スイッチは同時に押すと、辺りはまばゆい光に包まれた。
「ダネ、フッシャー!」
「カァーッ!」
出てきたポケモンたちは、元気よく声をあげる。
「はヒトカゲ、はフシギダネか!」
「いいじゃねぇか」「よろしくフシギダネ」
目の前のフシギダネを撫でると、気持ちよさそうに目を細める彼。
そこに置いてあった図鑑を見ると、男の子だった。
「!こら、勝手に図鑑を…」
「早く彼のこと、知りたかったんです」
私は昔からこのオーキド研究所に通ってたおかげで機械には強い。
さっさと登録を済ませると頭に降りてきた衝撃。
「いたっ」「Σっ!?」「じいさんに合わせろ。ったく」
の軽いビンタ。そう言いながらも自分もすっと取った図鑑をいじってる。
頭をさすってから足元を見ると、フシギダネがを見てワナワナと震えてる。(アレ?)
「・・・フシギダネ?」「・・・・フッシ」
それに気づいたとヒトカゲは、あまりいい顔をしていない。
「・・・なんだよ、コイツ」「・・・カァ」
そう私に訊こうとしたのか、彼は私に近づこうとしたのだが、
パシッとムチで床を叩いて威嚇したフシギダネがそうはさせなかった。
どうやら、私を守ってくれたよう。
それを見たヒトカゲはフシギダネに対して敵意むきだし。
完全に2匹の間に火花が散り、その様子を見たはこう言った。
「なぁ、コイツらこんな状態だし、バトルしないか」
「カァー!」
「・・・いいわよ、負けないから」
「フッシャー!!」
フシギダネの気持ちを代弁したつもりだった。