が好きだ」



ジャックを“男”と感じたのは
告白されたときのそれっきり。











gap。おはよう」



私が休日の朝起きて、1番始めにすること。『みんなの朝ごはん作り』。
この家には始めは私だけが独り暮らししていたが、今は同居人が1人。
2人暮らしなのに、『みんな』は可笑しい?そんなことない。
だって、ノラのみんなが居るもの。



「ジャックも好きだね。“ネコ”」

「うん。可愛い」

「ニャー」

「ご飯ね。待ってて」



庭の縁側でネコたちと戯れてるジャック。
遊んであげてるのはジャックで、私はご飯を分けてるだけなのに
私にも懐いてるネコ約20匹たち。
動物(主にペット)はご飯をくれる人に懐くというけど、流石にこの数は大変だ。
そして日々増えてる気がする。お金が・・!



「ニャーニャー」

「待ってろ。今が作ってくれてるから」



でも、微笑みながらネコと戯れてるジャックを見てたら、どうでもよくなることで。
本当に優しいなぁ・・ジャックは。



「できたよー!」

「ニャーニャー!!」

「シャー!」

「ンニャー!!」



おぉ、今日も恐ろしい!ネコたちの餌狩りは・・!
みんな1匹1つずつ団子をあげる。(餌を丸めたやつですよ。餅類は絶対あげちゃいけません)
柄が似たやつも一杯居るから間違えそうだけど、そこはジャックの十八番。
1匹1匹見張ってて、もうあげたやつには押さえる。(見分けつくのか・・すっげ)



「はい、ジャック。サンドイッチ」

「ありがとう」

「ニャー」

「・・・欲しいのか?」

「ハムならいいんじゃない?肉だし」

「だって。ほら」

「ニャーv」



・・・自分のご飯もネコにあげちゃうし。(優しすぎる!優しすぎるよジャック!)
ネコたちのせいで少ないご飯なのに、さらにあげちゃう。底なしのお人好しだ。



「。水は」

「はいはい、ってかいい加減ジョウロって言いなさい」

「うん。行ってくる」



今度は家の庭と付近にある、花たちのお世話。
ジャックは態々道路の花とかに水をやりに行ったりしてる。
・・・可愛いな。女の私より可愛いって何。



「ただいま」

「おかえり。パトロールお疲れ」

「?」

「いやいや。なんでもない」

「・・・ねむい」



そう言って、ジャックは縁側に座ってた私の膝に頭を乗せて寝っ転がる。
俗に言う、『膝枕』ってやつだ。初めはビックリしたけど、今じゃ慣れてる。
しかし、この子結構髪のボリュームあるから重いんだよね。
おぉっと、文句は言わない言わない。なんせ私とジャックは恋人、このぐらい普通さ!



「・・・『恋人』かぁ」



ジャックが寝てしまって、独りの広い空間でポツリと呟く。
私は付き合う前から、ジャックを今みたいに可愛いって思ってて
なんていうか癒しキャラだった。だから弟みたいな感じだったけど、
ジャックが私を好きって言ってくれて、その時初めてジャックを男の人だと思えて
・・・・一発でホレちゃったんだよなぁ・・・。だってギャップが凄かったんだもん。

でもあれっきり、付き合う前と変わんなくて・・・・き、キスもしてないわけで・・・。
付き合ってどんくらいだ?1、2・・・4ヶ月くらい?
・・・いや、どんだけ遅れてんだ。もうキスの1つや2つ、デートの1回や2回やったって!
そういえばデートらしいデートもしてないなぁ・・・。1度はしてみたい。
でもジャックは絶対エスコートできないよね。絶対、一緒に昼寝がデート派だよね。



「はぁ・・」

「なんで溜息ついてんの」

「うわ!」



いきなり話しかけられてビックリして、膝の上のジャックの顔を見てたら

――まっすぐにコッチを向いてた。



「(うわ///かっこいい・・!)」

「疲れたのか?」

「あ。や、そうゆうわけじゃない」

「どうゆうわけなんだ」

「え?」



あれ?いつもはキッパリ、それで終わるのに・・何かしつこいぞ?(嬉しいけど)



「溜息、重かったから」

「え、そう?」



そう訊けば寝っ転がったまま頷いて、その勢いのまま起き上がった。
さっきは見上げるような、見透かすような強い眼だったけど
今は私を見下ろして、自分より弱いものを守るような、心配するような眼で私を見てる。



「何かあったのか」

「やー・・あったと言えばあったけど、」

「はっきり言って」



眼を逸らしてた私に、今度は逃がさないとでも言うように腕を掴まれた。
用心にも、顔も逸らさせないよう頬っぺにまで手を添えて。



「あ〜うん。あのさ」

「・・・」

「ジャックは・・・私のこと、好きだよね?」

「好き」

「や、そんな即答されると重みが・・というか、違う意味の好きで受け取ったね」

「・・恋愛感情の方?」



ドキリ

ジャックがまさか恋愛感情なんて言葉、言うと思わなかったからビックリした。
驚いたのが顔にも出てしまって、ジャックは何か少し考えていた。



「あ、」

「?」

「わかった」

「や、何が?今の何でわかったの・・?」

「ちゃんと言ってほしかったんだろ」

「へ?」



え、や、いつも言ってほしいってわけじゃないんですよ。
告白の時だって、これ以上ないってぐらいストレートに言ってくださったじゃありませんか。
しかも簡潔に素早くはっきりと。これ以上あると?

とか、脳内で一瞬の内にグルグル考えてると…



「愛してる」



・・・・・・それ以上のこと言ってくださいましたよこの子。

流石の私も、それにはタコさんのように真っ赤っかになってしまったわけで、
何も言えないで居ると“チュッ”と軽い音までしてきました。

・・・・・ん?なんか音と同時に、唇に感触あったな。
やわらかーい感触。音も近くでしたって、今キスされたーーーッッ!!



「ジャジャジャジャジャジャ、ジャック!!///」

「違うのか?」

「や、見事に大正解だけど・・・って違う!」

「でも合ってるんだろ?」

「うっ!確かに求めてたって言っちゃー、求めてたけど///」

「あぁ」



なんかまたこの子わかったような言い方してるけど、絶対違うこと考えてるよね。100%だよね。
とか、思ってる内にまたまたぐいっと引っ張られ、またまたちゅーですよ。
あれ?ちゅー?なんでのびんの?なんで長音なの、切れてないの?
えぇーい!見るの怖いけど、ココは百聞は一見にしかず!眼ぇ開いてぇ!

・・・・・・・きゃーまだキスしてるぞ続いてるぞー
いき、続かーーん!!

ドンドンとジャックの胸を叩いても放してくれない!
えぇ!?殺す気!?これも実は暗殺社の仕事だったの!?そんな!
とか馬鹿なことも考えて、やっと放してくれた。

ゼーハー!と離れて間もなく深呼吸するけど、またぐいっと引っ張られ
今度は抱きしめられた。さらには、耳元に息を吹きかけながら…



「満足したか?足りなかったんだろ」



ほら、やっぱり違うーー!!
とかも叫べず、むしろ恥ずかしくて動けなくなっちゃった私。
と、また何を勘違いしたのか「まだ足りない?」と訊いてくる。(鬼か!)
流石にそこは苦しくても、首を思いっきり横に振るわなくては。
振ったというのに、この人は…



「・・・・否定されるとやりたくなる」



と、3度目のちゅー。
しかもまた胸叩いたのに、今度はさらにギュッと強く抱きしめられた。
もう何か。放さねぇってか、逃がさねぇってか。しかし私気絶するよ?
そう思った私は武闘派なのですよ。ふふ、ナメんじゃないよ。
甘い雰囲気ブッ壊しとか言うな。悲しくなるから。

と、首に腕を巻きつけて抱きしめ返すと見せかけ、そのままキュッと。



「ぐえ」

「ふはっ!・・っはぁー!っはぁー!」

「・・・」

「ジャックが悪いんでしょ!」



息切れながらも叫ぶ私に、ジャックはさらに不満度が増したようで…



「おしおき・・!」

「へ?」



ドンッ

と、押し倒されたー!!
でもやっぱりジャックは優しくて、頭を打たないように手で守ってくれた。
まぁ、倒れた原因もこの子ですが。



「ジャックー!め!おすわり!」

「オレは犬じゃない」



と、このようにものっそい抵抗してたんですが、この後ぱっくり食べられました。
けじめ?ちゃんとつけましたよ。丸1日、口一切利きませんでした。
そしたら反省したのか、ジャックが無理やり(響きがやだな)自分勝手をしなくなりました。

今じゃ、すっかり仲直りして
またネコたちに餌をあげてます。



「はい、今日はおにぎり」

「うん。ありがとう」

「ニャー」

「あはっ、またネコちゃん欲しいって」

「ダメ」

「?」

「コレはオレのだから」

「ジャック?」



だったら、前回のはなんだったんだ。
そう思ってたら、ジャックは“また”男の人の表情をして



「全部オレが食べなきゃ、が しっと するから」



・・あぁもう、普段は可愛いくせになんでこう違うんだ。
もはや別人だ。

それが顔に出てたらしく、ジャックに言われた。



「はどっちのオレが好き?」



“普段”の顔と“男の人”の顔、2つの面影がある顔で言われた。
そんなもん答えられるか。と、拗ねるように言ったらまたちゅーだよ。

・・・・・・・・今度はいつ終わるんだろうね!!

















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オチが微妙なのはいつものことで(ぁ
しっかし檄甘ですね。ジャックなら許されることですよね(贔屓

ジャックがネコにハムあげたときの「ニャーv」のとこ。
そこぴったり書いた途端に、まさに「ニャーv」って姉が言ってた・・!

しかし文句の多いヒロインだな(ぁ



2007.09.15