両親の都合で、両親の友人にあたる人たちの許へ僕は預けられた。
幼い僕は他人と一緒に住むなんてことできなくて、その家を拒んだ。
外ではよく抜け出して、家にいるときはその家族とすれ違うように別行動していた。
できるだけ一人で居て、とにかく“人”を避けた。
その家の親、両親の友人は「親から離れて仕方ない事」と、僕を自由にさせてた。
それが余計に、僕を孤独にさせる。
だけどその家の僕と同い年の娘、はずっと僕を心配してくれてた。
僕が一人になろうとするとき、とぼとぼ後ろからついてきたり
家では「お腹すいた?」、「お風呂入っていいよ」とよく気にかけてくれた。
だから、少しずつではあったけど。にだけは、僕は心を開けた。
が居たからその場所は好きになって
とたくさんの思い出がある学校も好きになれた。
今でも僕はにしか心を開けなくて、でもはたくさん友達がいる。
別に寂しいわけじゃない。僕も、も、それぞれやりたいことがある。
だから、前よりは一緒にいる時間が少なくなってしまったけれど、家に帰ればがいる。
それでいいと思ってた。僕がを大切と思うのは変わらないから。
すごく、大切な存在だから。
「だから、絶対に認めないよ。そんなやつと」
「えぇ〜・・・恭弥ぁ」
「クフフフフ」
少し目を離したら、これだ。
散歩をしてたら幸運なことに、珍しく外で見つけた。
と思ったら、六道骸と歩いてた。一瞬、目を疑ったよ。
とりあえず、そのことも含め六道骸には色々と恨みがあるから攻撃しかけた僕。
殺ろうと思ったら、が六道骸の盾になって、何かと思ったら『彼氏』だもの。今度は耳を疑った。
どうして、どうやったらそんなことになるのさ。奇跡でも起きない限り、無理だよ。
「そ、そりゃあ・・・好きになったから・・」
うん、奇跡が起きても無理だね。あの趣味のいいが。
どうしちゃったのさ。服装に料理、美容と裁縫。全てがセンス抜群で見る目あったのに、男を見る目はなかったのかい?
わかった。なにか弱味を握られてるんだね。脅されて無理やりなんだよね。
可哀相に。いま僕が助けてあげる。そいつボコボコに潰すから。
「きょきょきょ、恭弥ぁぁ!ダメーー!違うから!!」
「っ!わかった。催眠だね。操られてるんだね、可哀相に。いま僕が助けてあげる」
「Σ『っ!』じゃねぇっ!!わかってないよ!」
「クフフフ。雲雀くん、シスコンも大概にしてください。いや…」
「君の場合、負け惜しみですか?に恋しているんでしょう」
なんでそっちに結びつくのかな、このパイナップル頭。
これだから単細胞は嫌だよ。血が繋がってないからって、そんなわけないでしょう。
そりゃはすごく大好きだけど。可愛いし優しいし。
僕にとっては、ある時は母である時は姉。またある時は妹、ある時は友達である時は彼女のようでもある。
僕にとっては愛しい存在なのだけど、恋ではない。わからないけどなにか別の。
恋以外の愛でも、僕はが好きだから。には幸せになってほしいんだ。
「なのにそのを幸せにするやつがコイツなんだ。絶対に認めない」
「そんなぁ〜・・恭弥ぁ」
「クフフフフ。いいでしょう。のご両親の前に、まずキミを黙らせてあげます雲雀くんっ!」
人はそれを家族愛という
(両親の前に、お兄さん。
千種は『パイナポー』派。ヒバさんは『パイナップル』派だと思います)
2008.11.10