空から見下ろす。
そうすれば
僕の邪魔になるうざったい奴らの中に、愛しいキミがいて。
(あぁ・・・奪いたい)
いつも
考える。
キミをみるたび
奪いたくて奪いたくて
キミの心も、ボンゴレからも
霧の守護者の・・・骸くんからも
桔梗に以前問われたことがある。
「いま一番ほしいもの?」
この世界以外で、すべてを手に入れた僕にそれを訊く?
だからこそ訊きたいんだろうけれど。
「そうだね・・・。こんな僕でもまだ手に入れてないものもあってね」
それを訊いた6弔花のみんなは僕に振り向く。
ブルーベルはともかく、ザクロやデイジーまで興味津々と。
「それはね。どの世界に行っても手に入らないんだ」
ある男の物でね。“それ”とその男が出会わなかった世界に行けば、手に入ると思ったんだ。
でも、それはありえない。“それ”とその男が出会わなかった世界には
“それ”が、存在しないんだ。
その男が、“それ”を在り続けさせているのさ。
「僕はね。が欲しいんだ」
今日こそ、奴らを消して
キミを僕だけのものにする。
心も身体も、僕だけのもの。
奪ってみせるさ。
*
ずっと知っていた。
この牢獄に入ってからの10年間。
幾度なく、が狙われてきたのは。
それもそのはず。ヴィンディチェのスパイをやっていたのだから。
それだけならまだしも、男にもよく狙われていた。犬や千種含め。
僕のなんですよ!僕だけの!誰の許可を得て、に手出してるんですか!!
と、牢獄から人を呪い殺すこと10年。
しかし、それでを守りきれるはずもない。
最悪なことに。奴がを狙っている。
『レオくん』
『はい、白蘭さま』
『骸くん一派のちゃん、すっごくかわいいよね』
欲しいなぁ
その言葉に、危うくスパイをしていることを忘れ
その首落としてやろうかと思った。殺してしまおうと。
ずっと知っていた。
奴が、本気なことを。
だから、焦ってしまったのか。
僕は皮を脱いで、奴と戦った。
は渡さない。僕だけの。僕だけのお人形。
「あなたなんかに、には指一本触れさせません」
上空からの気配は気づいていた。
GHOSTと呼ばれる物が消えた瞬間、倒れこむ。
炎をだいぶ吸われたようで、その震えた腕で気絶したクロームを支えている。
「、大丈夫ですか」
「む、くろさん・・・」
クロームを預かって、陰へ置く。
犬と千種も倒れこみながらもの元へ心配して行く。
僕もの元へ戻ろうとしたとき、初めて気づけた。
上空からの気配は、奴であったことを。
「!危ない!」
言ってすぐに撥ねられる犬と千種。
奴の目的はわかっている。だから、早くを・・!
との手が重なったと同時に、の背後に見える影。
「っ!お久しぶり〜❤ฺ」
「びゃ、白蘭!?」
「あなた、いますぐ僕のから手を放しなさい」
この男・・・!性懲りもなく僕のに手を出そうとは!!
*
骸さんと手が重なって、腕が引っ張られたと思ったのに
自分の身体は、何故か後ろへ引っ張られていた。
前後から同時に抱きしめられて(捕まって)、その正体を見る。
「白蘭、アンタうざい!!」「ほらうざい男はさっさとどこか行ってください」
「本当は嬉しいくせに〜〜。あ、骸くんも相当うざいよ」
ちょ、コイツ骸さんになんてことを。当たってるから否定できないけれど。
抜け出そうとしても、二人は細身のくせに超怪力で
恐ろしい力で引っ張り合いをしているため、ムリ。私の力じゃ。
「に微塵も相手にされなくて、哀れな男ですね」
「僕の前で惨めに跪いたじゃない骸くん。と釣り合わないよ」
頭上に殺気が漂ってる。
文字通り、お互いを殺す気だこの二人・・!
「だいたいですね、貴方のすべてが気に食わないんですよ。僕のに
手出すだけじゃ飽き足らず、僕の地球にも手出す。あなたバカですか?
この世のルールじゃ、すべてのことに関して僕に許可を取らなければなら
ないんです、許可がなきゃ生きることも禁止です」
「バカは君じゃないの?それ全部そっくりそのまま返すよ。本当そっ
くりそのまま。言っとくけど君いま生きてちゃいけない人間だから。って
ことで、いま死のうか。罪ならたくさん犯してきただろう?を
汚した罪とか。は僕のなの、僕のために生まれてきたの」
ねぇ、私のことはどうでもいいから、
さっさと人類の未来を賭けて、殺し合いしようよ。
呪縛から解き放たれて
2010.08.02
(小話のVS白蘭戦闘後の骸話をみた友人からのリクエスト『白蘭VS骸』。撃沈。)