「ユーリ・・・」

「なんだ」

「お腹空いた」

「アッシュに言え」

「アッシュに食べすぎ言われた」

「もう喰おうとすな」

「じゃあ買って」

「・・・何をだ」

「カンタ」

「持ってこい」

「スマが5000円でって…」

「お前等は何をしているんだ」

「ば、ばいしゅう…」

「何をだ、何を」

「ユーリの情報」

「意味がわからん」

「スマがね。ユーリの弱味を握ったら敵なしって…」

「どうゆう意味だ」

「ユーリを味方にすれば、怖いものなしって」

「・・・いつ私がの敵になった」

「うん。ユーリは始めっから味方だったね」

「そうだ」

「我が侭にも付き合ってくれる、甘チャン」

「やかましい」

「まるで孫を可愛がるような、おじいちゃん」

「黙れ」

「見た目は若ワカなのに・・・本当は3ケタ、もしかしたら4ケタ」

「そんな歳くってないわ」

「吸血鬼なのに血、吸わないし」

「いい加減にしろ」

「・・・ゴメンね」

「・・いや、気にす…」

「吸血鬼なのに血よりワイン飲む、の方がよかったね」

「黙らすぞ」

「ユーリはいつも、カルシウムが足りないんだよ。アッシュが大変」

「知ったことか」



ユーリは血を飲まない。それにはちゃんと訳がある。
ユーリが生に満ちてた頃は、大昔。清らかな血も沢山あったそうな。
でも世界が汚れて、人間が汚れて、今じゃ口に合う血がないんだと。
吸血鬼が好む血の味は『純粋』。綺麗な心を持った人間にしか流れない。(らしい)
だからどちらかといえばワインの方が口に合うらしく、好むワインは赤ワイン。

まぁ言ってしまえば、ユーリの好き嫌いなんだけど



「・・・足りないのはカルシウムじゃないね」

「・・・・」

「血、吸っていいよ」

「・・・何故わかった」

「顔が青白い。というか蒼い」

「・・・すまない」



ユーリの行動1つ1つに意味がある。
吸血鬼にとって血は最高の栄養分が入ったもの。
それを飲んできたユーリにとって、普通の食べ物なんて栄養の欠片もない。
だから沢山食べなくては生きていけないし、牛乳の1本や2本取っても然程変わらないから
足りないからといって取ったりしない。人間の何倍取ってもあまり変わらないから。

日光が嫌いなのは日焼けをするからというのも違う。それもあるのだろうけど。
私たちに心配をかけたくないから。
私、は知らないけど少なくともアッシュには心配かけさせない。(後が煩いから)
すぐ栄養不足になるから顔が青白くなる。それがわからないように、普段から白くしてる。

もう1つ。よくある話。
『美女の生き血を好む』。これは少し違うらしい。
美女、ではなく“愛人”。愛する人の血は莫大なエネルギー。
たとえ汚れた人でも、好きになれば美しい血になる。
と、スマが言ってた。

だから、この汚れた時代で私の血だけ飲んでくれてるということは
そうゆうことなんだよね?期待してしまっていいのかな。












Lifeblood only of one person

2007.09.13