ヒュー
『ガッハッハッハ!今日は酒がうまいぜ!』
『もっと持ってこい!!』
「・・・・・・・」
風が吹き、盗聴機からの音が小さくなるのを考慮して、
盗聴機の音量を上げようとしたが、その心配は要らなかった。
イヤホンから聞こえてくるやつらの声の音量は、増すばかりで。逆に下げようとしたぐらいだ。
しかし、次の瞬間。音量を下げようとしていた手を止める。
『しっかしもえげつねぇな。最高だぜ!』
『そういや、そのはどうした?』
嘲笑いながら。一瞬止めていた手を再び動かす。
その手は音量調整のリモコンへではなく、べつのスイッチを押した。
ボガァン!!
大きな音が鳴ると同時に、相棒と走りだす。
もっと近づいてから押そうと思っていたスイッチに投げ捨て、目的地へ一直線。
俺より走るのが速い相棒に、その建物の入り口にあたる場所に『あるモノ』を置いてきてもらう。
俺は、爆発地へ向かう。2階であるそこに、爆発で崩れた瓦礫を踏み台に昇り
それの部屋へ入った。目の前に目的の物があり、笑っていた顔がさらに歪む。
すぐにそれを奪い、脇に抱え走る。
エクロ峡谷の合間にあるココは周りは絶壁で、逃げ道は一つしかない。早く走る以外に逃げる方法はない。
普段慣れない重さの物を持ち、走れるだけ走る。すると隣りにやってきた相棒。
近くに置いてた自分のバイクのサイドシートに、奪ったそれを投げ入れる。
そして相棒もそこへ飛び入り、俺はすぐにバイクへ跨りエンジンをかける。
猛スピードで走らせながら盗聴機へ耳を傾けると、ガヤガヤと人の慌てる声。
それと、奴の。ヘルゴンザの怒声。
『〜〜!!』
「〜〜!!」
俺の名前を大声で呼びちらし、その声は生でも聞こえるほど煩かった。
あまりの煩さに舌打ちし、盗聴機も投げ捨てると新たなスイッチを取り出した。そしてそれを――。
ボガァァン!!!
最初と比べ物にならない音が、遠くで聞こえた。
相棒に置かせた、大型の爆弾。それが今吹き飛んだんだ。
「よくやった。ブラッキー、エーフィ」
相棒たちの名を呼んで、片手で二匹の頭を撫でる。
バイクで待ってた相棒は、盗んだ『スナッチマシン』をリフレクターで守ってくれている。
さて、そろそろ動き出してやるか。
『荒野の中、オーレ地方』
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初の男主人公。ぶっちゃけ腐向き(ぁ
一応ヒロインとしてホウエン主を出します。ミレイさんはミレイさん。
さぁ、最近ぜんぜんやってないストーリーをどれだけ書けるか!!(コラ
2008.09.12